2008年02月16日

ユーモアとは??

阿川弘之先生の「大人の見識」たる本が売れていると理由からダラダラと読んでいる。何せ作家生活60年であるから凄い。
その中に「ユーモアの大切さ」なる事が刻々と書かれている。ユーモアがいかに大人には大事かみたいな。

僕はユーモアのみじんもない堅物で大真面目な男だが、今まで生きてきた中で抜きにでて、ユーモアの神様的少年を知っている。小学校時代の友人の島田だ。

当時プロレスが全盛期で毎日休み時間にはプロレスの物まねをして遊んでいた。島田はその中でも熱狂的プロレス信者である。
その日も島田と僕、数人で実況付きのプロレスごっこを教室の一番後ろでやっていた。設定は僕が「猪木」で島田は「ブッチャー」である。とりまきもいる。当時アブドラ・ザ・ブッチャーといえば悪役の中でもタイガージェットシンとともに一世風靡した人気レスラーであった。流血をしながらやられるのは当時のお決まりパターンだった。
そして僕がそのブッチャーにヘッドロックをかけていた時、廊下にこれまた当時柔道をやっていて普通の小学生のふた回りはでかいだろう「ざっき」が歩いていった。するとヘッドロックをかけられていた悪役島田は僕の手を振りほどき、何を思ったか「ざっき」めがけて「さぁー! ブッチャー場外に向かって走ったぁぁあ!! エルボードロップだぁああ!!」と肘を高々と上げ、さらに雄叫びを上げ「ざっき」目がけてジャンプした。島田にしてみたら猪木のセコンドの坂口か誰かという設定だったんだろう。


その瞬間、事件はおこった。島田の頭が教室の入り口の木枠に激突。すごい音とともに背中から床に倒れていった。。。。一部始終みていた僕は声も出ず呆然と立ちすくんでしまった。一緒にあそんでいた友人が急いで駆け寄る。僕もあとから駆け寄る。すると頭から血を流し、鳩が豆鉄砲でもくらったかのような目をして天井を一点を見ている島田が仰向けに倒れていた。
その血を見て慌てた僕たちはすぐに先生を呼び、保健室へ連れて行った。
ついた頃には顔まで血が流れていた。すぐにベットに寝かしつけた瞬間である。島田が思いもよらぬ行動にあっけにとられた。

あのブッチャーの「地獄づき」を「シュシュシュシュッ」っと手を振り回し物まねをした。本人はまだブッチャーで、島田にしてみたらその当時ブッチャーがよく流血していた恰好のシュチュエーションを地でいける一世一代のチャンスだったに違いない。

保健の先生にもやっている。呆気にとられ、怒るに怒れないでいるその先生の困った顔を今でも思いだす。
そして彼はそのまま病院へ消えていった。。。


その後、1年ちょっと経ち僕らは中学に入学した。当時、校則で男子は全員坊主頭であった為、島田はその時の痛々しい傷跡が5cmほど見事な一直線ではっきりと残っていた。しかしそんな事にはおかまいなしの島田は、教室の端から座っているやつの顔の前に頭を出し「この貯金箱に募金くださーい」と自分のギャグにして一人一人の机をまわり、教室を笑いの渦に巻き込んでいた。

僕はこれほど逆境に強く、ポジティブでユーモアに長けた少年にはその後出会っていない。

風の噂ではいい高校出て、いい大学に入り、どこだかの銀行員になったとか。


甘い少年時代の思いでである。
長々とくだらない文面にお付き合い頂きありがとうございます。



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